善光寺平の開発構想

善光寺平の将来を考える

 

鷲澤 正一 様

 

お手紙によりますと、本年1月1日より新長野市が誕生し、広域化が一段と進んだ由、誠におめでとう御座います。益々のご活躍をお祈り致します。

 

私は遠くから見ておりますゆえ、内部の詳しい事は解りませんのでただ漠然と長野市イコール善光寺平の様なイメージで、長野市を長野市周辺の市町村も含めて考えて居ります。本日は鷲澤様に私が考えている善光寺平について、僭越とは思いますがお話させて頂きたいと思います。ご無礼をお許し下さい。

 

日本の多くの中小都市は美しい山に囲まれており、無限のスプローリング(広がり) を防止出来る絶好の条件に恵まれております。又美しい川の流れが何処の都市にもあるので、これも美しい都市を造る好条件の一つでしよう。このように車化社会に適した都市を回りの自然と融合させて、計画的に造り得る好条件は何処の都市にも有ると思われます。

 

長野市を含む長野盆地(善光寺平)は特に美しい山々に囲まれており、無限のスプローリングを防止できる自然条件に恵まれております。又美しい川の流れが盆地の中央に有り、これも美しい水辺の都市を形成する好条件のひとつです。従って車化社会に適した、新しい美しい都市圏を創造し得る条件は、見事に揃っているのではないでしょうか。

 

今年合併した豊野町 戸隠村 鬼無里村 大岡村は農業を主体とした村落でありましょう。各々気候条件 地質 地形も異なり必然的に農産物には特色が出ているのではないでしょうか。又この自然条件を利用すれば充分特種農産物を開発出来るのではないでしょうか。

 

善光寺平の文化遺産をめぐる観光ルートは、長野市周辺の市町村と連携をとることによって、周辺の市町村と一体となってはじめて確立されるように思えます。

善光寺平には色々な文化的遺産が点在しております。これを上手につないだ観光ルートを何通りも作り上げ、市民や旅行者に解りやすく説明し、行きやすい交通システムを作れば、善光寺平は一層楽しい、行って見たい場所になるのではないでしょうか。その結果もっと多くの旅行者がやってくるであろうし、より多くのコンベンションが長野市で開かれるようになるのではないでしょうか。その良い例は京都に有るように思えます。

 

周辺の市町村 リゾート施設との連携を蜜にして、今や世界的に有名になった長野のウインタースポーツ施設に、海外からもっと沢山のお客様に来て頂いては如何でしょうか。海外からお客様を集める手段を考えたらどうでしょうか。長野市に泊まって、今日は志賀、明日は白馬、次の日は戸隠へと行けます。夜は長野市で都会的に楽しむ。こんなスタイルは若者向きではないでしょうか。

 

犀川 千曲川 の美しい流れの水辺には、一般の市民や旅行者が楽しめるイヤシの空間を造ってはどうでしょうか。例えば笹平から又は戸倉から中野の辺まで桜を川の土手に植えて、ウオーキング ジョギング サイクリング等に使える遊歩道を整備してはどうでしょうか。花見の時期には大勢の人が集まるでしょう。

 

戸隠のスキー場は長野市に近く標高も高く雪質も良く斜度も一般向きなので、日帰りで行ける家族づれ向きスキー場です。最近は戸隠にも温泉が有るので、日帰りスキーの時温泉に入ってから家に帰るのも快適です。冬の道路の整備と駐車場の整備を良くすれば、長野市の人々に楽しんでもらえると思います。長野市の小中学生の冬の体育の授業にスキーを取り入れてはどうでしょうか。戸隠のスキー場はモーグル スノーボード以外のスキー一般用としてはどうでしょうか。又クロスカントリーのコースを作る可能性もあるのではないでしょうか。

 

私が良く日帰りで行く清里のサンメドウスキー場は、八ヶ岳山麓の標高の高い人工雪のスキー場で、12月10日頃から4月10日頃まで確実にオープンしています。スロープは広い初心者用のスロープと、長い、中の上級者用のスロープが有るだけです。スノーボードは禁止です。道路事情は雪の少ない所なので、非常に良いのです。駐車場も広く、人と車の立体交差も出来ているし、駐車場からセンターハウスの主要なフロアーまでエスカレーターがある等、大変良く設計出来ているので、いつも大変なにぎわいです。

 

飯綱高原スキー場はモーグル専用のスキー場としてはどうでしょうか。選手の合宿練習場としても、国際大会を含む色々な大会も行われ得る立派なスキー場と思います。

 

いいずなリゾートスキー場は広がりのある大斜面なので、スノーボード専用のスキー場としてはどうでしょうか。将来の100年 200年先を見据えた善光寺平、即ち長野都市圏の計画が今必要と思われます。善光寺周辺、松代周辺は古い町並みを文化遺産として残す必要があります。従って外部からの車は出来るだけ入れない様にしなければならないと思います。

外部から入ってくる車は出来るだけ、善光寺側では市役所前の大通りの南側から、 松代側は上信越自動車道の北側までの平野部に限るべきではないでしょうか。

 

善光寺と松代の間は地下鉄で結び直線の力強い軸を将来の発展の為に築くべきではないでしょうか。周囲の土を凍らせてもぐらのように掘って行く工法で、犀川 千曲川の下を通すべきでしょう。新しい町はこの軸の両側に発展して行くでしょう。新しい市庁舎はこの軸と犀川の交わる点である青木島辺で、市民広場が犀川の緑地帯へとつながる様な場所が良い様に思えます。まわりの山並みと美しい川の流れを望む市民広場は犀川の緑地帯えとつながり、善光寺平住民の政治の中心であり、憩いの場となるのではないでしょうか。

 

長野市と周辺の市町村との提携により、善光寺平に住んでいる人々が将来より幸せな日々を送る事が出来ます様にお祈り致します。

2005年8月11日   藤井 穆

 

                                                    

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