築40年以上の家は、気密性・断熱性においては全くゼロに近い。
高齢の御両親を助けるお子様との同居が、この住み慣れた大きな家を建て替えることを老夫婦に決心させた。完全分離型の2世帯住宅の設計は、その2家族が共に助け合いながら、独立した生活を保つという機能を優先させ、住人を満足させるという空間構成のパズルであった。
その上、古い建物には甚だ少なかった気密性・断熱性・耐震性・耐久性を高め、冬暖かく夏涼しい
快適な住み心地を創り出す方法を目一杯取り入れた。全館冷暖房といっても、老人と若者では体感温度が違うので、2つのシステムに分け、1階に老夫婦、2・3階は若者達とフロアで分け、システムを使い分けた。
2階・3階には吹抜の大空間や、天窓も取り入れ、明るく楽しい住まいとした。
結果として、古い家と新しい家との差は歴然としており、住み心地の明暗を鮮明にすることとなり、御老人達も大満足である。