ロウレンスリバモア研究所は、米国の連邦政府直轄の重要な研究所の一つである。1978年にエネルギー省からの依頼で、サンフランシスコの※1 A&A(アンシャンアンドアレン)設計事務所は、エネルギー省の職員のためのオフィスビルの設計をすることになった。折からのハイテクブームでハイテクを意識したメタリックな設計をすることで、我々設計チームは少なからぬ興奮を覚えていた。メタルの外壁、パイプの手摺り、リボン状の窓、反射ガラス、露出された空調用のダクト、反射ガラスを使ったガラスブロック、アクリル製の渡り廊下の屋根・・・全てがハイテクを象徴するものであった。特に空調は省エネを考慮したハイテクの先端であった。1979年に完成したこのビルは、当時のハイテク先端を行った建物である。
オレンジ色の空気取り入れ口の丸いガラリは、設計者の文化的背景を覗かせている。
※1 A&A(アンシャンアンドアレン)設計事務所
1972~1983 藤井穆 在籍